ブリのなかま


最初にまとめていうと・・・

ブリ自体は日本近海に特有な種なので手に入りませんが、ヒラマサやカンパチ(?)といった日本でもお馴染みのブリ属の魚はケンジントン・マーケットで手に入ることがあります。ヒレナガカンパチ は個人的には見たことがありませんが、ROMにはケンジントンで購入された物が骨格標本としてありますから、たまに売られることがあるようです。店の人々によるとカリブ海あたりから空輸してくるらしいのですが、実際にはどこから来ているのか定かではありません。もともと1日以上おいた方が刺し身はうまいといわれる魚ですから、刺し身として食しても問題ありません。肩や頭などはアラ煮にするともうこれはたまりません。注意しなくてはいけないのは、1週間落ちの古い魚をつかまされないようにすることです。お腹を裂いたところが黄色くなっているのは古い証拠です。



ヒラマサ

英名:Yellowtail amberjack, Yellotail kingfish
ケンジントン名:Special jack など
学名:Seriola lalandi

Hiramasa
2000年2月、ケンジントンマーケットで購入

上の写真はケンジントンの魚屋がどのように魚を「クリーン」するかを示す良い例です。店のおやじさんに手をつけないように頼んだのですが、仕事をした若い人がおやじさんの言うことを聞いていなかったようでクリーンされてしまいました。鰭という鰭が全て取られてしまいます。この50センチ強の個体は確か16ドルくらいでした。

ヒラマサはブリと見かけがそっくりですが、ブリより南に生息し、ほぼ世界的に分布しています。ただ、北大西洋からは報告がないようなので、ケンジントンで売られているものが南からきているというのは本当なのかも知れません。 しかし、カンパチに混じって北大西洋にも居るのではないかという気もします。



カンパチ??

英名:Greater amberjack
ケンジントン名:Special jack など
学名:Seriola dumerili

Kanpachi
2000年3月、ケンジントンマーケットで購入

上の写真はおそらくカンパチではないかと私が思っている魚の一例です。ただ、可能性としてはヒラマサだと私が思っている魚の種内変異であるのかもしれません。というのは、両者はよく混じって売られているからです。カンパチは北大西洋でもとれますからトロントで売られていても不思議はないのですが、ヒラマサのところでお見せした魚がカンパチである可能性はまずないと思うので、けっきょく何がなんだか分からないというのが現状です。誰か分かる人が居たら教えてください。この魚は、カンパチの名の由来である頭の八の字がはっきり見られません。上の写真ではあたかもあるように見えますが、実は血が染みて色が暗くなっているだけです(ケンジントンの魚屋では内臓を出しても鰓だけはつけておくので、頭のあたりはよく地が染みていたりします−鰓をつけておくことで、量り売りの際に値段をつり上げることが出来るからでしょう)。